低金利の盲点

一言で学生ローンといっても、金利やサービスなど千差万別、それぞれ長いところもあれば短いところもある。
特に金利については非常にわかりやすい比較ポイントとなるが、金利が安い=審査が厳しい、督促がキツイ等、デメリットがつきものだ。
わかりやすく言えば、外国の高金利金融商品に投資するのとある意味同じだ。
なぜ外国の高金利の金融商品は金利が高いかというと、倒産や元金割れ等、非常にリスキーな側面を持つ為だ。
学生ローンとて同じ事で、金利が安いということは、それだけ貸し倒れリスクを低く抑える必要が出てくる。
結果、審査が厳しくなり、借りにくくなるという事象が発生する。
いわゆる貸し渋りというヤツだ。

それを裏付けるデータがあり、貸金業法改正前の金利26.28%の時代は、どの貸金業者も多少のリスクを抱える事ができたので、貸付残高は膨大な数字をたたき出した。
武富士あたりは1兆円を超える化け物企業に成長した。
ところが、貸金業法の改正に伴い、上限金利の引下げが実施されるやいなや、貸し倒れリスクの高い顧客は全て融資を断り、過払い金返還請求の影響もあって貸付残高は一気に溶けた。
武富士の倒産は衝撃的であったが、金利が安いという事は、それなりの何かがあるケースが往々にしてあるものだ。

1つ例を挙げよう。
審査が通りにくい事は言うまでもないが、仮に審査が通っても支払が遅れた場合の督促が結構きつくなる。
通常であれば何ら問題のない延滞日数であっても、すぐに電話がかかってくる。
あるいは、書面による督促が日増しに多くなる。
裁判リスクも当然高くなり、金利が高めの学生ローンでは考えられない遅延日数で、いきなり裁判所から通知が届くことさえあるだろう。

ただ一つ、御幣のないように付け加えるが、現在の学生ローンでは、そこまで低金利ではない。
最も高い金利が、実質年率18.0%、最も安い商品で15.60%だ。
例外的に友人を何人も紹介した、あるいは、目的ローンなどで突出した低金利を扱う学生ローンもある。
最も安い商品では、実質年率12.0%というものがあるが、この金利で借りられるケースは全体の0.1%未満、それ以下かもしれない。
さすがに年12.0%までくると、上で紹介したようなリスクも覚悟しなければならない。

ちょっと脅かしてしまうような話になってしまったが、支払いを遅れなければ全く問題はないので、こういったサービスを利用する事は決して悪い事ではない。
念の為、付け加えておくこととする。